この記事の趣旨
車を持たずに子育てする場合、乳幼児と共に移動するために何を購入すればいいのかについて検討し、ベビーシートを買うべきではとの結論に至っています。
※前提条件:東京23区近郊で3人暮らし、所有する車はなく、実家は遠方で義実家は車なし。
移動に関する要件定義~何ができれば良いのか?~
我が家は東京23区近郊部、駅から徒歩10分圏内に住んでいることから、日常的な買い物等に車移動はしないものと思われました。
他方、産院への定期健診や緊急時の病院への移動については、車移動が必要となることが見込まれます。また、出産後の産院からの退院についても、徒歩圏内ではなかったため距離的に車を使わざるを得ませんでした。さらに、もし帰省や遠めのおでかけをする場合は、車での移動が生じると思われます。(退院時の話については別途取り扱います。)
選択肢の可視化
自家用車を所有しない場合、取りえる選択肢としては①タクシー、②レンタカーorカーシェアの2択となります。
ここで考えなければならないのは、乗車時のベビーシートの使用について。タクシーについては法的には着用を免除されていますが、リスク管理面からすれば自分で保有し、持ち込んで固定したほうが望ましいのは言うまでもありません。ベビーシート付のタクシーを手配することもできますが、24時間以上前の予約が必要のため、即応性に欠けるところがあります。
また、レンタカーであれば借りる際にオプションでベビーシートを付けることができますが、カーシェアでは必ず借りられるわけではないこと、また移動ニーズが生じてから実際に移動できるまでに若干のタイムラグが生じることから、即応性が若干低いといえます。
ベビーシートの種類について
ベビーシートについては、ベビーカーとの連結が考えられていない単純なベビーシート(新生児向けチャイルドシート)のほか、車から外したベビーシート(ベビーキャリー:要するに「かご」、室内ではバウンサーとしても使用可能)をB型ベビーカーの上部に連結してA型ベビーカーとして運用する「トラベルシステム」と呼ばれるものがあります。いずれも車に持ち込んで3点式シートベルトで固定することが基本で、上位機種やアタッチメントでは「ISOFIX」という連結機構を用いて車に直結させて固定させるものもありますが、こちらは自家用車保有者向けのギミックだと思います。
※A型ベビーカーは背もたれの傾斜角がゆるく乳児を寝かせた状態でも使えるもの、B型ベビーカーは背もたれの傾斜角がきつく乳児を座らせた状態で使うものという違いがあり、構造上B型の方が有利のため軽量・コンパクト・安価ですが、B型は生後7カ月頃~と使えるようになる時期が遅めです。なお、近年はA型の機能のまま構造的不利を解消したAB型が主流のようです。
移動手段の整理
以上のような条件を整理すると、生後しばらくの間において取りうる選択肢は以下の3パターンに分かれます。
① タクシーにおけるベビーシート未着用リスクを受け入れる場合
○近所へのおでかけ
→抱っこ紐、通常型ベビーカー
○予定された車移動
→ベビーシート付タクシーorベビーシートオプションのレンタカー
○突発的な車移動
→タクシーに抱っこ紐で乗る
②-1 タクシーにおけるベビーシート未着用リスクを回避する場合(トラベルシステム型)
○近所へのおでかけ
→抱っこ紐、トラベルシステム型ベビーカー
○予定された車移動
→トラベルシステム型ベビーシート持込でのタクシーorレンタカーorカーシェア
○突発的な車移動
→トラベルシステム型ベビーシート持込でのタクシーorカーシェア
②-2 タクシーにおけるベビーシート未着用リスクを回避する場合(通常型)
○近所へのおでかけ
→抱っこ紐、通常型ベビーカー
○予定された車移動
→通常型ベビーシート持込でのタクシーorレンタカーorカーシェア
○突発的な車移動
→通常型ベビーシート持込でのタクシーorカーシェア
②-1と②-2ではほとんど費用は変わらないと思われますが、②-1のトラベルシステム型の場合、車に積み込んだベビーカーを出先で使う際に、ベビーシートからベビーカーへこどもを起こさずに運べたりできたり、使わないとき物置スペースが減るメリットがあると思われます。ただし、トラベルシステムはベビーシートとしては1歳程度までしか使えず、その後はチャイルドシートへの買い替えが必要になる(ベビーカーとしては使い続けられる)こと、ベビーカーとベビーキャリーを連結した状態(A型使用した状態)では重厚となってしまい、折りたためないことがデメリットとなります。
②-2の通常型の場合、チャイルドシートとベビーカーをそれぞれ買うことになり、選択肢が増えます。なお、乳幼児の乗車時、生後しばらくは後ろ向きに乗せ、その後前向き乗車になるため、基本的にチャイルドシートは月齢に合わせて買い替えるのが原則になると思います。長く使えるチャイルドシートもありますが、回転ギミックを持つ重厚なものとなり自家用車以外での使用は不利かつこどもの出し入れやスペースの関係でも不利となります。
こうしたことから、A型使用形態のベビーカーで電車やバスによく乗ったりするのであれば、取り回しが効きやすい②-2を採用し、AB型のベビーカー+ベビーシート+簡易チャイルドシートの3点を調達。そうでないならば②-1を採用し、A型・B型ベビーカー及びベビーシートを兼ねるトラベルシステム+簡易チャイルドシートの2点を調達する方がいいかと思います。
我が家では、通常型ベビーカーを友人から譲り受けられる見通しが立ったため、追加支出の少ない②-2を選択しました。
ベビーシートのブランド(2023年6月現在)
ベビーシートの調達選択肢について、海外メーカー・国内メーカー入り乱れることもあり、一覧となっているものが先行研究ではなかなか見つかりません。現時点では以下が代表的なものになると思われます。
(トラベルシステム型)
◆Joie(メーカー名はカトージ)
〇3輪ベビーカー ライトトラックス+チャイルドシート ジェム /25,700+/8,480
〇3輪ベビーカー ライトトラックス+チャイルドシート アイ-スナグ2 2点セット /45,000
〇軽量コンパクト4輪ベビーカー ツーリスト+チャイルドシート アイ-スナグ2 2点セット /52,000
→ジェムとライトトラックスの組み合わせはトラベルシステムとしては最安。メーカー公式サイトによるとアイスナグ2の方が安全性が高いようです。
◆コンビ
〇4輪ベビーカー ベビーカー F2 Limited AF + F2・Ageシリーズ用 トラベルシステムキット /33,000+/33,000
◆アップリカ
〇3輪ベビーカー スムーヴプレシャス + スムーヴ TS インファントカーシート /55,000+30,800
こちらはA型ベビーカーにベビーキャリーを載せる形となります。
◆サイベックス
〇4輪ベビーカー リベル 2022年モデル + エイトンS2 i-size + カーシートアダプター2 3点セット /51,700
〇4輪ベビーカー リベル 2023年モデル + エイトンS2 i-size + カーシートアダプター2 3点セット /61,050
◆Maxi-cosi
〇4輪ベビーカー エアバギー ココブレーキ フロムバース × マキシコシ ティンカ + 専用アダプター 3点セット /100,980
(通常型)
◆Joie(メーカー名はカトージ)
〇ジェム /8,480
〇アイスナグ2 /12,700 →両方ともトラベルシステム対応
◆コンビ
〇グッドキャリー /9,480 →トラベルシステム対応のようですが、詳細は不明です。
◆日本育児
〇スマートキャリー →製造中止したようで、レンタル市場のみ残っています。
◆西松屋
〇マムズキャリーブライト3 /5,993
◆Baby GO(花岡商店)
〇ベビーキャリー /7,280
→今のところ、我が家では価格面と安全性から西松屋のマムズキャリーを購入する予定です。
おわりに
ベビーシートを含むチャイルドシートは選択肢が無限にあり、沼だと気づかされました。価格差がないのであれば、以下のページの中段で国土交通省の関係機関が安全性能評価をしてくれているため、一番安全性が高いものを買うと思考力を節約できるのではないでしょうか。