子育て総力戦研究所

父親から見た23区近郊車なし子育て

授乳方針(完母/混合/完ミ)について

この記事の要旨

 全国の親を悩ませる授乳(完全母乳:完母、完全ミルク:完ミ、母乳ミルク混合:混合)をどうするかの考え方の基礎と実際の経過、方針を決める際の注意点を記載しています。

そもそもの前提条件

 【母乳寄りにすべき事情】
 ○基本的にはミルクより母乳の方が(栄養的には)好ましいという説が主流。(ただし全て母乳よりミルクと混ぜた方がバランスが良くなるという話もあり)
 ○母乳を出した方が母体の回復が早い、瘦せられるという説が主流
 ○そもそも粉ミルクはコストが高い、調合や哺乳瓶の洗浄・消毒が手間
 ○市中の設備的に、外出時に粉ミルクを調合することは難しい(近年は液体ミルクの解禁により緩和)
 ○母乳授乳の割合が高まるほど、父親の関与が減少し、育児主体としての意識を失う可能性がある。
 【粉ミルク寄りにすべき事情】
 ○母乳をあげようとすればするほど母親の生活周期を拘束し、肉体的・精神的負荷が高まる。粉ミルクであれば父親をはじめとする誰でも授乳でき、母親が授乳による拘束から解放される
 ○もし保育所等に預ける場合、ミルク慣れしている必要がある。
 ○母親の断乳がしやすい
 【母乳ミルク混合を妨げる事情】
 ○母乳は授乳すればするほど出るようになるため、(混合を含む)母乳での育児をしたいときに母乳の出が不調だった場合、完母と同等のペースでの授乳を指導される
 ○逆に、母乳の出が順調な場合、定期的に母乳を吸い出さないと乳腺炎になる可能性があり、機械で搾乳するにしろ、やはり完母と同等のペースで吸い出すことが推奨される。
 ○赤ちゃんがどちらかしか吸わない/吸わなくなる可能性がある。

以上を踏まえたメリデメの整理

 ①完全母乳
 思想信条的にこれを推す育児関係者がいるものの、母親が乳児から長時間離れられなくなり、母の基本的人権を大きく制限する選択肢となる。また、これを目指す上で様々な母乳トラブルに見舞われることがあり、端的に言って修羅の道。ただし、運良く母体の供給力・子の哺乳力が順調に推移し、安定均衡にたどり着いた場合は、授乳の手間・コストは最も少ない。また、父親が分担できる育児作業が一つ減り、母親主体の育児になりやすい。なお、完母が可能だとしても、便宜的に1日1回はミルクをあげる習慣を続けることで、母乳が与えられないときに対応しやすい。

 ②完母寄りの混合(完母と同等のペースで母乳授乳、足りない場合はミルクを都度で追加)
 完母を目指していたとしても、母子双方に授乳能力が十分に備わるまではこの選択肢が現実的。母乳のメンテナンスに加え、粉ミルクの準備・片付けも発生するため、手間としてはもっとも煩雑

 ③完ミ寄りの混合(1日の授乳のうち何回かは母乳、その他はミルク)
 いわゆる「都合の良い」混合。一見理想的に見えるが、現実には母体にとって中途半端な選択肢のため、母乳トラブルが発生し、他の選択肢に強制的に振替えられる可能性が高い

 ④完ミ
 母体にとっては一番楽、保育所に預けて職場復帰するなら基本的にはこの選択肢になる。最近は液体ミルクもあるため、外出もしやすい。ただし、ミルク代は馬鹿にならないほどかかる(育児初期では最も多額の出費)。

 

我が家の方針

 当初は③完ミよりの混合でした。特に夜間に関しては基本的にミルクとしていたため、最大8時間程度母乳授乳の間隔が空くときもありました。
 他方、1か月程度経過した頃に、母乳の出がよくない/吸いが浅いことから、母乳外来で相談したところとにかく夜間であっても頻繁に母乳を吸わせる、そのためにもミルクの量を減らすように指導があったことから、夜間であっても母乳授乳することになり、②完母よりの混合に切り替わりました。ただ、もとより頻回授乳気味であったため、毎回母乳からスタートしてミルクを足すというよりは、1時間おきに授乳して枯れてきたらその回はミルクだけにする、母乳を吸わせ終わってもなお飲みたそうにしている場合はミルクを足すといった手法をとっています。
 母乳外来&母乳マッサージに行ってから、母乳の出は大きく改善したのですが、今度は長時間授乳or搾乳しないと、母乳が溜まり乳が張るようになってしまいました。このため、引き続き②を続けており、必要に応じて搾乳を行っています。
 このように、なかなか思い通りにいかない、とりわけ「中庸」が存在せず、極端な選択肢(3時間おきに母乳授乳or搾乳を伴う混合か、完ミか)に振れがちですので、生活を鑑みて突き詰めればどちらを選ぶのか腹積もりをしておいたほうが良いかもしれません。