子育て総力戦研究所

父親から見た23区近郊車なし子育て

育休が明け、職場に復帰する

 6月下旬から約3か月間(13週)の育休を取得していましたが、月曜から職場復帰しました。育休を取った効果は3か月間の中のみならず、将来的にじわじわ効いてくるものだと思いますが、ここでは、現時点での育休の総括をしていきます。

育休中にやったこと

 育児:ミルク作り(主担当)、おむつ替え沐浴・入浴(主担当)、あやし、外出時の抱っこ紐(主担当)、車での送迎(主担当)、粉ミルクやおむつの調達(主担当)、保活の研究・区役所ヒアリング(主担当)、保育園のアポ取り(主担当)、保育園見学、出生届の提出、予防接種の予約・立会(主担当)、やったことはだいたいこのブログに書いています。
 家事:自炊(主担当)、食料調達(主担当)、後片付け(主担当)、ゴミ出し(主担当)、生活用品の補充(主担当)、ルンバのための片付け、風呂掃除(主担当)、洗濯・物干し
 その他:このブログの編集、リスキリング?として最後の1か月ほど勉強して日商簿記2級を取得しました。

育休を取ってよかったと思える理由

 ①父母が育児に関して同じ土俵に立ち・同じ目線で暮らせるようになること育児の真の楽しさも辛さも、連続して子どもに張り付いていなければわからない(つまみ食いで理解できない)ものなので、これを体験することは親として不可欠な経験だと思います。

 ②自分の子がいわゆる世間的に平均とされている子と比べてどのような特長をもっているのかというのを直感的に掴めること。育児に関する情報の氾濫する現代において、○○すればいい、といった耳年増になりがちですが、実際に子どもと対峙して試行錯誤してみることにより初めて実効性のある育児方法が取れるということを認識するだけでもだいぶ違うと思います。

 ③社会から一時的に距離を置けること。普段の連休は年末年始やGWで長くて9-10連休なので、育休がなければここまでまとまった休業を取ることは考えられませんでした。自分がいなくても職場の組織や社会が回り続けることを実感できるとともに、逆に自分が働く意味や場所というのを再認識できる良い機会になりました。また、上にも書きましたが、資格の勉強などもできなくはないため、それまでに生きてきた人生を見直したり、方向転換するきっかけがもたらされる可能性もあります。

 ④社会の仕組みに触れられたり、社会の優しさに触れられること。育児をしてなければ、ここまで行政の行う事業を研究しなかったと思いますし、とにかく「新しいことを知る喜び」を得られ、世界が広がる一方です。

 ⑤こどもが可愛いと思えるようになる。これは、単純接触効果の最強バージョンのような気もしますが、24時間態勢で世話をして、徐々にこちらを向いたり笑ったりするようになった時には、それまでにかけられた労力の全てが報われたような気がして、可愛さが爆発します。

育休を取る期間の考え方について

 父親の育休取得期間は1か月以上が推奨されていますが、これに関しては子どもの成長も母親の回復も連続的なもののため、明確な区切りがあるわけでなく、自分の中で理屈付けをすることが難しいです。他方、仕事的には短ければ短いほど良いという圧がかかるため、これに抗するのが難しいために育休がなかなか普及しないのだと思っています。思いつく区切りについて以下で言及してみます、

 ①1か月
 →子の1か月健診が終わり、外出できるようになります。また沐浴から同時入浴に切り替わります。最低限1か月としているのはこれらの事情から、少なくとも1か月の間は2人で育児をした方が良いという発想なんだと思います。
 →ただし、子にもよりますが、生後1か月頃は「魔の3週間」を過ぎて子どもの泣き等が激しくなってくる期間に相当するため、この時期に復帰するとかなり心苦しい感じになると思います。

 ②2か月
 →出産後の母体の回復がある程度まで進むとされている時期です、生後2か月になってくると、母乳の出や授乳周期が安定してくるなど、親と子がお互いに生活に慣れてきました、そのため、比較的ワンオペに移行しやすいのではないでしょうか。

 ③3か月
 →生後3か月頃には、子どもの体内時計に昼夜ができ始める等、徐々に世界に適応してきて、夜間には連続で6時間程度爆睡する等の良い傾向がみられました。生後3か月まで乗り切れれば、離乳食が始まるまでのしばらくの間、育児は同じようなルーチンを繰り返すことになるため、生活はかなり安定してくると思います、

 ④4か月
 →うちの子はまだ到達していないので未知の世界ですが、首が据わってくるため、抱っこによるあやしやおでかけがかなり楽になる時期になると勝手に思っています。

 ⑤それ以上(半年や次の4月まで等)
 →第1子で育休を3か月以上取るのは、母親が先に復帰する等の事情がある場合がメインになるとは思います。

育休中の心構え

 ①「やってる感」ではなく「やる」
 →育児の一部をつまみ食いすることは容易ですが、育児の本質は「即応態勢を24時間取り続ける」というところにあるので、この即応態勢を維持するコストを分担して苦しみを共有するのが重要だと思います。逆にクリームスキミングして「やってる感」を出されるのが一番イラつきます

 ②育児以外がおろそかになるのを恐れない
 →育児が最優先となり、育児で疲れた体や心を休めるのがその次に優先になるので、家事全般について大きく優先度が下がります。もちろん上記即応態勢を確保した上で家事をやる元気があればどんどん処理していった方がいいと思うのですが、極限状態でグロッキーになる前に子の生存に直結しない項目はあきらめて外注なり使い捨てるなり、生活レベルを下げましょう。育児は永遠ではないので、そうまとまった出費になるわけではありません。そもそも料理が用意できなくて怒るような人はこのブログを読んでいないとは思いますが…

 ③母親に対してはプル型支援ではなく、プッシュ型支援を
 人に指示を出す(+指示した結果を確認・修正する)のは何なら自分でやるよりも体力・頭を使うので、本当に育児で疲弊してくると、もはや的確な指示を出すのが困難になります。ニーズを把握することは大事ですが、それ以前に、本来なされなければならないことを状況から判断し、自発的に対処するというのがとても重要だと思います(パートナーが疲弊する前に予防的なほど良い)。

 とはいえ、支援メニューとしては、主たる家事(自炊・洗い物・洗濯・物干し・回収・畳み・部屋の片付け)及び育児の基本動作(子をあやす・おむつを替える・ミルクを作って投与する・おでかけに連れ出す)ができれば十分だと思います。そのためにも、日頃からこうした基本動作を分担しておく必要があると思います。

 ④サブミッションを設定する
 上記では本当にヤバいときの話を書きましたが、他方、育児そのものは受動的な動作が多く、大人1人が子どもの傍にいる即応態勢を維持さえすれば、子からヘルプが出ていないときは何をやっても構わないので、かなりの「待ち時間」が生じます。逆に、1日のうち長い時間を室内で過ごすことになるため、子どもが何もしていないときに何らかの方法で時間を潰さないと、それはそれで息苦しい暮らしになってしまいます

 もちろん、動画やゲームといった室内系娯楽で時間を埋めてもいいのですが、まっとうに働いていた人(ニート適性の低い人)にとってはこれがまた虚無の心を助長させることになります。そこで、資格の勉強を始めとした育休中のサブミッションを設定することで、子どもの成長とともに大人も圧倒的成長することができます。

 私の場合、前半2か月は趣味の基礎データをひたすら収集して整理することをしており、後半1か月では妻が勉強しようとして家にあった簿記2級のテキストを使って、育休最終週に無事合格しました。

 なお、子どもがいつ泣くかわからず即応態勢を維持しなければならない関係上、知識のインプットにまとまった時間が必要な勉強・作業は難しく、問題を解きまくるようなワーク系・アウトプット系の勉強・作業の方が容易だと感じました。

 ⑤定期的に気晴らしをする(それぞれが子どもから離れる時間を作る)
 子どもといえども人間で、そういった他の人間と24時間狭い室内でずっと一緒にいると、どれだけ可愛い存在だとしてもどうしてもストレスがかかってきてしまいます

 父親は割とフラっと外に出られますが、母親は母としての使命感もあってこうした状況に陥りやすいので、父親が子を連れ出すなど、なるべくそれぞれが一人になれる時間を設けるというのが大事だと思います。

 なお、気晴らしとして優秀なのは、旧来からの友人と会う、映画を見る、育児と全然関係ないものを買いまわるあたりでした。これはそれまでの暮らしによると思います。

⑥子どもは泣くものだと思い込む
 なにをしてもなかなか泣き止まなかったとき、とにかく無力感があり、どうにもならない気持ちになってしまいますが、子どもが泣いていたとしても、それを無理に泣き止ませようとしない(泣いている状態をなんとかできないことに罪悪感を感じない)ということがとてもとても大事です。そうでなければ、子どもに強制力を行使して泣き止ませるような方向に向かってしまいますから。