子育て総力戦研究所

父親から見た23区近郊車なし子育て

中野区で保活をする話(その2)

 こちらの記事の続きで、これまでにどのような保活を行ったのかについて記載しています。(2024年4月入園手続きはまだ完了していないため、途中までとなります)

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新居への引っ越しの際に考えたこと

 出産に先立って、それまで住んでいたマンションが手狭になると見込まれたこと、出産前後の引っ越しは大変だろうということで、市場に物件が出回りやすい1~2月に新居を探しました。その際、中野区外に転出する可能性もあったため、中野区内における保育園の立地・競争倍率についても念のため調べた上で新居を決定しています。

 具体的には、中野区が公表している保育園の定員及び利用調整の結果の下限点数とそれぞれの住所を組み合わせて、ジオコーディングして次のような地図上に落とし状況を把握しました。

 下図は、2024年入園のデータを用いて作り直しています。

中野区内保育園の0歳児クラス定員数

 特徴的なのは、中野坂上周辺の0歳児クラスの募集がとても弱いこと、区南部に比べて区北部の密度が疎ら、中野通り南側が手薄であること等がわかります。

中野区内保育園の1歳児クラス募集数(推定)

 他方、1歳児クラスの定員と0歳児クラスの定員の差分から推定される1歳児クラスの募集まで含めると、中央線の両サイドにベルト地帯が形成されており、区の中心から外れるほど保育園密度が疎らになっていくことがわかります。

 こうしたデータを踏まえて、中野区内でも中央線ベルト地帯であればなんとかなるだろうと踏んで中野区内で転居しました。

出産後に中野区役所に話を聞きに行く

 出産後しばらくは出生届の提出以外で区役所に行けるような状況でなかったことから、落ち着いてきた8月中旬に区役所の保育担当部署に話を聞きに行きました。

 利用調整については「中野区保活のしおり」的なもの読んで概ね理解していたため、保育料の算定基準及び、利用調整の点数がどの時点の勤務状況を参照するのか、また最近の中野区内の保活動向についてヒアリングしました。

 保育料の算定基準は「しおり」をよく読めば書いてありましたが、毎年9月に、その年度の区民税所得割額ふるさと納税による控除分はなかったものとして加算する)の世帯合算額を基準としていることがわかりました。来年4月からの保育料は昨年度の勤務実績をベースに算定された今年度の区民税額を基に決定されるため、しばらくはフルタイム共働き時代の年収に基づき高額となる模様で、来年の9月以降は育休等により課税額が大幅減少した本年度の年収に基づき算定されるようです。

 また、利用調整については、産休育休に突入する前の勤務実態を反映させるということで、基本的にフルタイム共働き世帯であれば基本指数20+20、調整指数1+1の42点になるということでした。

 なお、中野区の保育園入園の利用調整については、保育の必要性に応じて点数を積み上げていき、点数が高い人から入園内定していくというシステムになっています。このことから、4月募集の時点で下限の点数(合格点)が42点を割っているかどうかというのが一つのボーダーラインになると考えられます。

 ここで、中野区が公表しているデータから2022年から2023年にかけての下限点数の推移を見ると、下図のように、それまで41点以上が求められていた多くの園において、下限が40点以下あるいは定員が満員にならない「底割れ」が発生している様子がうかがえます。

2022年4月の0歳児クラス1次募集での下限点数

2023年4月の0歳児クラス1次募集の下限点数

 この原因について区の担当者に話を聞くと、そもそも出生数が低下(中野区内の0歳~2歳児は2021年から2023年にかけて6,900人から6,300人まで減少)していること、コロナ禍を経て保育園の申込率が減っているのではないかということでした。

 こういった状況から、(その1)でも書いたとおり、0歳児クラス4月募集は、希望園を決め打ちでもしない限りどこかには入園できる状況となっており、むしろ1歳児クラスの募集倍率が高止まりしているとのことでした。

保育園見学

 最近Twitter(現X)では保育園見学がトレンドに入りがちです。自治体にもよりますが、翌年度4月入園の申し込みは10月~11月にかけて締め切る(中野区は11月1日)ため、その前に見学しようとすると8~9月が保育園見学の最盛期になります。
 区役所に話を聞きに行った翌日に保育園9園にアポをとったところ、ほとんどの園は1~2週間後に見学をさせてもらえたのですが、1園だけ2か月後しか空いていなかったので、早く動くのは大事だなと思いました。

 中野区の保育園を大きく3つに分類すれば、区立園、元区立園、それ以外の園に分かれると思います。中野区は区政の方針として区立園の民営化を進めており、これまでに23園の区立園が民営化され、区立園は残り10か所となっています。この他に純粋な民営園が62か所あります。

 区立園はその名の通り区の職員がやっているor区が業務委託している園で、良くも悪くも価値中立的な保育が行われています。区立園最大の特徴は敷地に余裕があるため建物が大きい・地上園庭が必ずあることです。区役所の担当者によれば、民営化した際に浮いた保育士をオフィス部門に転属させているため、病気などで欠員が出たときに穴を埋めやすいのが推しポイントとのことです。

 元区立園は、区立園を民営化した園で、区立園と同様に余裕のある敷地を引き継ぐため、地上園庭が必ずあります。また、民営化した際に建物を建て直していることが多く、区立園に比べて設備が新しいことが多かったです。

 純粋な民営園は、そうした敷地を持たないためビルの1フロアを間借りしたり、3階建てにする等、認可園としての面積要件や代替園庭は確保しているものの、窮屈に感じる部分があります。

 元区立園含む民営園全般にいえることですが、保育の方針は会社や園長に大きく左右されるため、家庭により合う合わないが激しそうです。おむつのサブスクについても見学した区立園はどこも対応していましたが、民営園では対応していないところもありました。

 保育園見学にあたり、とても細かいチェックリストを作成して持参している例がみられますが、個人的にはそのようなカタログスペックを調査するのに熱を入れるよりも、保育士の年齢層や接し方、園児の様子、園の雰囲気、園に飾られている作品の傾向等、感覚的な部分を見た方がいいのではないかと思いました。もちろんこだわりがあるところは直接聞いたほうがいいですが、実情として詳細なカタログスペックから絞り込なきゃいけないほど選択肢は多くないです。

保育園希望順位の決定

 我が家では大多数の検討先に親2人+子を連れて見学に行ったことから、「立地」・「内装」・「園庭やテラス」・「刺激の多さ」の4項目で5段階評価し、後者3つについては2人でクロスレビューをして合計点数が高い順としました。集計の結果、元区立園と区立園がほぼ同レベルの点数で、その他民営園は一段落ちるという結果になりました。

 元区立園のいいところは建物がほぼ新築なので綺麗なところでしたが、そうした園は全般的に安全重視・秩序重視な部分があるため、築年数のある区立園の雑多な感じもまた子どもには刺激的だろうなと思うところがあり、ほぼ同等の順位となりました。

 園庭については、代替園庭でもいいのではないかと思いますが、やはり公園に連れていくにも一定の人的リソースを要するため、園庭付きの園の方が人手が回りやすく、保育士の余裕が生まれ、目が行き届きやすいのではないかと思いました

 最後に立地について、毎日通勤の行き帰りに寄ること、暑い日寒い日天気の悪い日があることも考えると、家から徒歩10分以内が目安なのかなと感じました。もちろん家と最寄り駅の間に立地すれば最高なのですが、特に区立園・元区立園は駅前にはなく、住宅地の真ん中にありがちなので、なかなかそう上手くはいかないんですよね。あとは立地と施設・運用でどちらを優先するか、両親の仕事がどれだけ忙しいかにもよると思います。

 なお、結果的に、利用調整の底点が42点に張り付いている園は希望上位となったため、利用調整の底点が高いというだけでも一定の質を担保している指標になるのかなとも思いました。

補足情報

 認可園には定期的に区が検査・指導に入っており(毎年ではない)、その結果はHPにまとめられています。たいていの場合は不適切会計等ですが、たまに保育士の配置に関するものなど重大なものもありますので、見ておいて損はないと思います。

www.city.tokyo-nakano.lg.jp

 また、「とうきょう福祉ナビゲーション」というサイトでは、保育園を含めた福祉施設のデータ諸元をとりまとめており、ここで保育士の勤続年数、常勤職員の平均賃金、収入に対する人件費割合などが閲覧できます。新しい園でなければ利用者アンケートも出ているので、希望する園に関しては、ぜひ調べてみてください。

www.fukunavi.or.jp

 

 

 なお、記事中で使用したデータのジオコーディング及び地図化については、埼大の谷謙二研究室が整備されたサービスを利用しました。

ktgis.net

 また、立ち入り検査については、育児・保活データ集@中野さんのブログを参考に記載しました。

clockworkmayuge.hatenadiary.com

中野区で保活をする話(その1)

記事の構成

 保育園探し(保活)関連の記事については、内容が多いので、その1でそもそもの制度的な建てつけと考え方を、その2で実際の保育園探しに関する話を書きたいと思います。※内容はフルタイム共働き世帯を前提としています。

保活の大前提となる考え方(育休との関係)

 休業制度等福利厚生については会社により異なりますが、一般的な会社では「育児・介護休業法」の規定に則り、基本的には子が1歳になるまでは育児休業が可能で、競争倍率が高く保育園に入れなかった場合、半年おきに2歳になるまで延長可能、というのが原則になると思います。これは給料が無給になる代わりに支給される育休給付金の支給スケジュールとも一致しています。

 そのうえで、乳児を保育園へ預けられるのは、最短で生後57日以降ということになっています。これは、産後休暇が生後8週間(56日)しか取得できないため、産休明けですぐ復帰する場合、57日目から保育園に入れる、という運用思想のようです。

 ただし、生後57日目の赤ちゃんはまだ首も座っておらず、生活周期も不安定であることから、実際にこのような運用をする人は稀で、一番早い人ですら生後3~4か月程度まで育休を取り、そのあと保育園に入れて復帰。あるいは祖父母等の身内に見てもらいつつ産休明けから復帰するといったパターンになるかと思います。

保活の大前提となる考え方(保育園の種類)

 保育園は大きく分けて公立園・認可園とそれ以外に分かれます。「認可園」とは、行政からの補助金がほぼ全額出ている園で、施設・人員配置等のサービス水準を公立園並みに満たしている必要があります。他方、保育料は統一されており、入園調整についても公立園と併せて行政が一括して行っており、実質的に行政サービスとして保育が提供されている園になります。
 「それ以外」はいわゆる「認可外園」ですが、行政の求める水準を満たす必要もなく、保育料の統制も受けないという、完全にビジネスとして保育が提供されているものになります。なお、東京都では、認可外園のうち、一定の水準を満たすものに認証を出して「認証園」としていますが、保育行政上、認可園とは全く別の建てつけとなっています。
 認可外園は保育の水準が低い割に保育料が高い等、長期間保育を委託するには向いていないため、「保活」の最終目標は公立園・認可園になることが多く、以下でも公立園・認可園への入園に関して記載しています。

保活の大前提となる考え方(保育園の募集の仕組み)

 保育園の募集については、0歳児クラス6人、1歳児クラス12人…といったように園の面積や人員配置から月齢ごとの定員が厳しく決まっています。ここで注意が必要なのは、どのクラスに入園するのかは4月1日時点の月齢で決まり、かつ進級(クラスの持ち上がり)は4月1日に行われるということです。

 進級が4月1日に行われるということは、前の年度の在籍数にかかわらず0歳児クラスの枠が一気に空くということであり、基本的にこのタイミングで全定員の募集がかけられます。もちろん1歳児クラスの空き定員分についても同様です。

 こうした仕組みのため、保育園への入園は基本的には毎年4月の入園が最も容易であり、もしその保育園の定員が4月に埋まってしまった場合、引っ越し等により定員に穴が空かない限り、翌年の4月まで新規で入れないということになってしまいます。

 なお、中野区では、区内の公立園・認可園について募集をとりまとめており、入園希望者は希望する園を複数書いて申し込み、区の利用調整の結果を待つ仕組みとなっています。

育休の考え方と保育園の募集方法が組み合わさるとどうなるか

 育休の区切りは生後○年・○か月といった出生タイミングからの相対スケジュールなのに対し、保育園の募集の太宗は毎年4月という絶対スケジュールであるため、下記のように生まれる時期によって取れる手段が変わってきます。

 赤ちゃんが4月~12月生まれ → 次の4月時点では0歳4か月~11か月のため、このタイミングで保育園(0歳児クラス)に入れることが可能です。
 赤ちゃんが1~3月生まれ → 4月時点ではまだ0歳1~3か月のため、保育園(0歳児クラス)に入れるのが困難です。だからといって、翌年の4月を待つと、1歳児クラスでの入園になります。

1歳児クラス激戦区問題

 上記のような事情に加えて、いつ生まれだとしても育休を1年フルに取った場合は1歳児クラス入園になることから、現在は0歳児クラス入園ではなく1歳児クラス入園の方が応募人数が多い状況となっているそうです。(中野区の資料を見るとおよそ1.5~2倍程度)

 他方、保育園の定員は、一見1歳児クラスの方が多いのですが、0歳児クラスからの持ち上がりで半数程度は埋まってしまうため、0歳児クラスの募集と1歳児クラスの募集人数はほぼ同数あるいは1歳児クラスの方が少ない、という状況になっています。
 (区立園だけで計上すると、0歳児クラス89名に対し、1歳児クラス63名)

 こうしたことから、中野区の担当者に話を聞いたところ、現在は、0歳児クラスの4月入園であれば、希望園を5~10か所書けば、まずどこかには通るものの、1歳児クラスの入園は逼迫しており、待機児童を生む主因となっているとのことでした。このことは、中野区の2023年4月入園の2次募集の資料において0歳児クラスの募集枠がかなり余っていることからもわかります。

そういった事情の結果

 早生まれの場合、保育園に入れるのが始まる前からハードモードになります。また、育児休業を給付金が支給される1年間フルで取った場合でも、そのあとの出口戦略が厳しくなる、というような状況になっています。

会社の制度・運用上、育休がとても長く取れる場合

 我が家の勤務先では、数少ない恵まれた福利厚生として育休が最大3年取得可能です。もちろん、育休給付金は原則1歳まで・保育園に入れない場合最長2歳までなので無給期間があるのですが、保活が激戦の1~2歳児期間をパスして子どもを3歳から幼稚園に入れるというルートもできるため、保活事情はかなり緩和されます。
 ただし、育休を取ることにより、育休中世帯年収が低下する、復帰後の昇進・昇給が遅れる、キャリア形成上不利になる、母親が育児以外のコミュニティを持ちづらいといったデメリットも存在するため、3年取得しないケースも考えられます
 このような事情から、育休が長く取れる場合は、生まれた後の4月から0歳児クラスに入れるor3歳まで保育園に預けないという両極端な選択が現実的となっています。

 ※無意識に母親が育休を長くとる前提となっていますが、給与や勤務環境が同等または母側優位であれば父親側が積極的に取るべきかと思っています。

 なお、親の職場復帰という観点を除外して保育園に預けるメリデメを検討すると、メリットとしては子が早くから同世代の社会に組み込まれることによる発達面での良い影響、感染病をもらいやすいことによる免疫の付きやすさ、親が育児から解放されることによる育児負荷の軽減保育園ならではの活動、地域の親コミュニティに組み込まれる等が挙げられます。他方、デメリットとしては、親子が一緒にいる時間が減ること、保育園で病気をもらってくることが多いといわれており仕事との両立がかなりハードワークとなること、保育料がかかること等が考えられます。

さらに片方が転勤族の場合

 以上のような0歳や1歳で保育園に入れるというのが、その後4~5年は夫婦ともに同じ勤務地であり続けるということを暗黙の前提としており、もし転勤ペースがそれよりも短かった場合、保活は無茶苦茶になります。

 仮に育休を切り上げて保育園に入れたとしても、その後の転勤に帯同できるのか、帯同した先で保育園に入れるのか、帯同しない・できないとすればワンオペで仕事・育児はできるのか、といった難題が待っています。このように、フルタイム共働きで片方が転勤族だった場合、子育ての予見可能性にかなりの困難が伴ってしまいます。

 とはいえ、転勤するかどうかが早めにわかる仕組みでもないので、とりあえず中野区内で保活の準備を進めて、もし転勤が濃厚となった場合は入園辞退・育休期間については転勤先で考えるという方針で進めることになりました。

 次の記事は実際に中野区で保活を行ったレポになります。

 

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地下信仰のような治療法で赤ちゃんの呼吸が改善した話

この記事の要旨

 一部で「舌癒着症」と呼ばれている症状の改善のため、生後1か月半の赤ちゃんがちょっとした手術を受けた件の顛末をまとめています。

そもそも「舌癒着症」とは

 「先天性舌癒着・喉頭蓋・喉頭偏位症」のことだそうですが、「舌小帯短縮症」のことを舌癒着症とする用例も見受けられます。この記事では前者について取り扱います。医師の説明によれば、「舌の根本がくっつく(癒着)することにより、口・鼻からの気道が前方に引っ張られ、気管とずれて呼吸の通りが悪くなった状態」(意訳)とのこと。対処としては、舌の付け根の下部(舌小帯がある部分+その奥)に切れ込みを入れて癒着を解くことで、緊張から解放し、呼吸の通りを良くする手術を行うそうです。
 赤ちゃん以外にも施術をしていますが、大人だと局所麻酔/幼児児童だと必要に応じ全身麻酔が必要なのに対し、乳児期であれば湿潤麻酔(歯を抜くときなどに使っているやり方)で5~10分程度の施術で終わるとのことでした。

 歴史を調べていくと、それまで助産院界隈で行われていた「出生直後に舌小帯を切る」対応が徐々に廃れていくのに対するアンチテーゼとして、神奈川県大和市にあった「向井診療所」の向井医師が提唱・伝道していたようですが、国際学会で突然ゲリラ発表を行う(?)等過激な行動が目立ったため、それまでも舌小帯への外科適応に否定的な意見を出し続けていた小児科学会から、2001年に舌小帯短縮症の手術を含めて外科的改善の必要性を否定される提言が出され、それ以降、全国でも両手で数えられる数の診療所のみで自由診療として行われ続けているようです。(ちなみに当該向井医師及び、これに対する否定をまとめた仁志田医師の両名とも2022~2023年にかけて亡くなっています。)

 なお、「舌小帯短縮症」に対する施術については、近年見直されており、歯科学会では前向きな評価に転じつつあるようで、新百合ヶ丘総合病院では舌小帯外来が設置され、舌癒着症に対する施術とほぼ同じ施術を行っているようです。(ただし、舌癒着症が舌及び咽喉の改善を目的としていることに対し、舌小帯短縮症は舌だけに焦点を当てているように伺えます。)

施術を受けるきっかけ

 もともと、妻が持病で喘息を持っており、成人してから向井診療所で舌癒着症の手術を受け、呼吸が急激に改善したことから、舌癒着症に対する一定の信頼はありました。
 また、子の呼吸が明らかに浅いこと・母乳の吸いが悪いこと・身体が常に張っていることなど、呼吸に関する脆弱性が目に見えてあったことから、施術の必要性を含めて見てもらうため、向井診療所なき後、関東で唯一施術をやっている山西クリニック(新宿区早稲田、耳鼻咽喉科)を受診することにしました。なお、舌癒着症の施術をする際、大抵は上唇小帯も切って鼻呼吸の改善もすることになるようです。

 ただしこのようなルートで受診に至るケースは極めて稀で、多くの場合、母乳の吸いが悪い等で助産院に相談した際にクリニックを紹介されるようです。

通院の記録

 1か月健診の直後に初めて受診し、鼻からカメラを通して喉頭を見たり、母乳授乳時の酸素濃度をパルスオキシメーターで測定したりしたところ、症状は最も重度であり、なるべく早くの施術を勧められたものの、乳幼児に対する施術は2週間に1回、火曜日の午後しかやっていないこと、間に医院の夏休みを挟むことから3週間後の施術となりました。また、施術までの間に、提携する助産院で1度見てもらうように指示があったため、中野区の助成が効く助産院でデイケアを受けました。

 手術当日は15時から開始で、月齢の幼い順に4人の子が施術を受けていました。(その中でもうちの子が一番若く、他は月齢2カ月・6か月・9カ月といった感じでした。)

 施術自体は10分程度で終わり、その後、授乳時の酸素測定等を経て、解熱剤(座薬)と抗生物質(粉薬)の処方箋をもらって16時頃に解放されました。

 なお、施術後にも同様に助産院で見てもらう必要があるらしく、その日に助産院に出向き、1時間程度見てもらいました

 その後、施術後の予後観察として、施術翌日・1週間後・2週間後・1か月後に通院する必要があったため、初診も含めて早稲田に6回通うことになりました。

 施術翌日の診療では、切開痕の再癒着を防止するためのリハビリを毎日3回行うように指示がありました。リハビリといっても歯ブラシで舌を上に押し上げたり、上唇を上に押し上げる簡単なものです。リハビリは1週間後の診療で健全にかさぶたが確認できるまで続きましたが、結構痛いのか子はリハビリの都度泣いたので心苦しいところがありました。

 そして、1か月後の診療において、特段の所見がなかったため、無事治療終了となりました。(第2子が産まれたらまた見せに来てくださいと言われたのには笑いましたが)

 保険不適用のため診療費は合計11万円程度、3回に分けて現金ニコニコ払いでした。

症状はどう改善したか

 施術前後で改善したのは以下のような項目です。

  ・呼吸が目に見えて深くなった
  ・身体の張りがとても減った
  (→息苦しいと身体に力を入れてしまうため身体が反り返ってしまうようです)
  ・母乳の吸いが改善し、最終的に完全母乳化した
  (→これは施術だけではなく母乳外来等に通院したことも寄与しています)
  ・授乳後にむせる・吐き戻すことが減った
  ・下唇が乾燥して剥がれることがなくなった
  (→口呼吸が減ったからと思われます)
  ・泣いているときの顔色が若干良くなった

 正直、施術の効用には半信半疑だったのですが、呼吸の通りがよくなることによる良い影響が出ていると感じました。また、自分自身、呼吸器が弱いことによる不利益(運動が嫌いになる等)を経験していたので、哺乳が改善するのは1年程度しかメリットがないですが、呼吸器系が改善するのは生涯に渡ってメリットになると思っており、施術が大げさにならないうちにやってよかったと思っています。

 ただ、ネットで検索すると批判的な個人ブログ(おそらく成人で施術を受け、不利益を被った者)が見つかり、そういったこともあってか施術の前に同意書をがっつり書かされたりするため、予備知識がない状態だと、かなり胡散臭い・怪しく感じてしまう部分もあると思います。そのため、母乳の吸いが悪いだけでなく、自身も呼吸器系の疾患に悩まされた経験があり、かつ現に子の呼吸状態に不安の強い親じゃないと決心できないのではないでしょうか。

 なお、山西クリニックで山西先生が診察されるのは水曜、金曜、隔週の月曜と火・土の午前に限られており、かつ午前中の診察は一般的な耳鼻咽喉科の患者でかなり混雑して待たされるため、なるべく平日午後の枠で行くのをお勧めします

 

沐浴とポスト沐浴について

この記事の要旨

 割と軽作業の多い赤ちゃんの世話の中でも、重労働の部類に入る沐浴及び沐浴卒業後の入浴についての我が家の方法・所感についてまとめています。

沐浴

 最初は水回りのある場所つまり洗面所・お風呂・キッチンのいずれかでやることになると思いますが、我が家は洗面所が独立していないタイプでお風呂の洗い場も狭かったため、キッチンのシンクにベビーバスをはめて沐浴を行いました。最初はおそるおそるでしたが、慣れてきたら少し気合いがいるものの淡々とこなす感じになりました。
 キッチンでの沐浴のメリットは、まな板を置くところにバスタオルを広げることで、ベビーバスの隣で赤ちゃんの脱衣・拭き取りができること、立ちながら世話ができるため滑ったり腰を痛めたりしづらいという点です。後者は独立洗面台でも同様ですが… 
 他方、デメリットとしては、毎日沐浴の前にキッチンまわりを整理し小物をどかす必要があること、沐浴や保湿中に新生児が漏らして床に被害が及ぶのが少し怖いことです(実際2カ月程この方式でやっていて数回は床まで達しました)。

 沐浴の準備物としては、ベビーバス、拭くためののガーゼタオル、ガーゼタオルの下に敷くバスタオル、上がり湯をかけるための手桶、ガーゼハンカチ2枚、ベビーソープ、保湿用のローション、新しいおむつ、おしりふき、新しい服、体温計です。
 我が家での沐浴プロセスは、以下のとおりでした。

 準備として、ベビーバス設置・お湯はり・手桶準備、バスタオルとガーゼタオルを敷く、ガーゼハンカチをベビーバスに入れておく、ベビーローション・ベビーソープはすぐとれる場所に置いておく、おむつ、おしりふきはタオルの横に、新しい服はベビーベッドに敷いておきました。

 体温測定後、赤ちゃんをガーゼタオルの上に移動させ、服を脱がし、濡らしたガーゼハンカチ1枚を赤ちゃんにかけて服代わりとし、おむつを外しておしりふきしてベビーバスへ移動。

 ベビーバス内で洗い、かけ湯。

 上がってきた赤ちゃんの水分を拭き、おむつを仮止めして全身を保湿、おむつを本止めしてベビーベッドに運搬して着衣。

 沐浴は大人1人でもできるそうなのですが、諸々の作業負担が大きいのと、結局1人でやらねばならない機会がほとんどなかったため、最後まで大人2人がかりでやっていました。

 沐浴は1カ月健診でもうやらなくてもいいですと言われましたが、それまでにやってきた方法を変えるのが不安・手間だったことから、結局赤ちゃんの身体がキッチン台に収まらなくなる満2カ月まで同じ方法でやっていました。

ポスト沐浴

 1か月健診で許可が出れば親と一緒の入浴に切り替えられます。基本的に沐浴と準備や作業は変わりませんが、風呂場での作業となるため、座りながらの赤ちゃんの運搬が多い→腰への負荷を気にしたり、焦って滑らないよう注意する必要があります。
 風呂場での作業は原則1人でできますが、この点で沐浴との大きな違いは赤ちゃんを親の膝の上に載せられるかどうかにあると思われ、沐浴であれば赤ちゃんを手で支えながら洗う必要がありますが、同時入浴であればあぐらの上に赤ちゃんを置いて両手で洗うことができ、そのために大人1人で賄えるものと感じています。実際風呂場で2人作業するのはスペース的にも無理ですし。

 なお、シャワーヘッドを元栓側ではなくシャワーヘッド側でオンオフできるものに交換しておくとお湯の節制及び作業の効率化ができました。

 沐浴からの移行に関しては、洗い中の赤ちゃんの粗相をあまり気にしなくてよい(その場で流せばいいため)、より赤ちゃんの全身を洗いやすくなったキッチンを毎回片付けなくて良い等の点からメリットが大きく、もっと早くに切り替えておけばよかったと感じているところです。

 なお、同時入浴とはいいながら、親が自分の身体を洗っている間は赤ちゃんを脱衣所で待機させておくことになりますが、親の入浴は赤ちゃんが待ちきれなくなった時点で打ち切りになるため、どうしても中途半端になりがちです。大人が2人いれば後で交互に単独入浴できますが、ワンオペだとちょっとストレスかもしれないなと思いました。

 (9/9追記)ホームセンターで風呂場に敷く滑り止めマットを調達したため、入浴時に滑る危険についてはかなり緩和されました。洗い場の床が異様に滑りやすい家におすすめです。

入浴時間について

 (9/9追記)赤ちゃんの沐浴・入浴については、生活リズムを整えるため、なるべく1日のうちの同じ時間帯に統一した方が良いとされています。我が家は夕方の17~18時頃に入れています。夏場だったため昼に汗をかいたのを夕方に流して就寝に繋げるという流れが自然だったのと、そもそも日中は他の用事が入りやすいこと・夜勤が激しいときに朝は2人が起きていられない日があったためです。
 沐浴はキッチンでしていたため、沐浴が終わるまでは調理に着手できないという不便さはありましたが、それを含めてもこの時間帯しかなかっただろうなと思っています。

 また、2カ月半になったころに数日、風呂上がりにタオルケットをかけたらそのまま日が変わるまで6時間ぐらい爆睡した日がありました。睡眠周期は長短を繰り返しており安定していませんが、いずれは昼と夜の境目としての入浴を定着させたいと思っています。

おでかけ手段再評価(生後2.5か月時点)

こちらの記事では、育児中に乳児を連れて外出する際に必要な機材について、生後すぐの段階でまとめました

その後、生後2.5か月が経過し、一通りのおでかけ手段を試したので、現時点での再評価をしたいと思います。なお、現時点で子の体重は4kg後半です。

 

①抱っこ紐(徒歩・バス・鉄道)

 良い点:小回りは最強で公共交通に乗るときもストレスフリー両手が空くため買い物等の用事もこなしやすい。おでかけ時の準備もほぼ不要
 悪い点:連れて歩く・立ち続けるには連続1時間、累計で1日3時間程度が体力の限界他の荷物を持つとより厳しくなります。買い物帰りだと15分ぐらいが限界かも。今後、子どもが成長するにつれてこのデメリットが強くなっていくと思われます。また、いわゆるがっしりした抱っこ紐はいずれも縦抱きのため、首が全然据わっていない新生児期の使用については少し不安があります。
 実績:2か月になる直前にベビービョルンの最上位モデル(ハーモニー)を赤ちゃんファーストでもらったところ、その後は基本的にどこに行くにしても抱っこ紐が基本になりました。うちの子はおでかけで機嫌が好転することが多いので、買い物を含め、1日2~3回は散歩に出ていますが、いずれも抱っこ紐によるものです。抱っこ紐がなければ、ここまで気軽におでかけしようとは思わなかったと思います。

 

②ベビーカー(徒歩・カーシェア車載)

 良い点:帯同が長時間に渡っても体幹が疲れません。混んでいるクリニックなど椅子が埋まっているところでも、居場所が自立してくれるため待ち続けることが可能。車載した場合、ほとんど悪い点はなく駐車場から目的地まで押していけます。
 悪い点:電車に乗るときは原則エレベーター利用になるし、バスに乗る際は畳んで抱っこ紐で持ち上げる必要があり、基本的に公共交通との相性が悪いです。非積載時のために軽いベビーカーにしたら押した際の直進性が低下する、交差点にあるような歩道車道間の段差を超えられないなどで結構ストレス。また、ベビーカーを押し続けるのも意外と疲れ、耐久試験をしたわけではありませんが、30分も押し続けられないかなと感じます。これらの程度はベビーカーの性能に依るとは思います。なお、載せた後シートベルトを締める必要があり準備が少し面倒。
 実績:1か月過ぎにAB型ベビーカーを知人から譲り受け、近場でのおでかけや、車で移動した際の駐車場からのアクセスに使用。一番ありがたかったのは医院等で椅子が埋まっている際にベビーカーに載せたまま待てたこと。このメリットは電車に乗って席が空いていなかった場合にも効くと思います。今後、子の重量が重くなっていくにつれて、抱っこ紐との関係がどのぐらい変化するか期待です。

 

③ベビーキャリー(カーシェア車載・タクシー車載)

 良い点:そもそも乳児を自分の運転する車に乗せるときは必須。その際、家から子を載せ替えることなく目的地まで運搬可能タクシーでも安心
 悪い点:キャリーの重量と子の重量が相まってとても重いのに、片腕で持つ設計のため、離れた場所への手運搬は非現実的。運べて2~300mぐらいかなと感じました。そもそも車移動のためのものなので、そんなに長距離を運ぶことは想定していないのですが、都内だとカーシェアの駐車場への移動や、駐車場が目的地に併設されていない際のコインパーキングまでなど、意外と小運搬が発生します。
 実績:1か月になる前に導入し、1か月健診や通院、デイケア施設への移動で使用。ただし、抱っこ紐が導入されてからは隣の区までなら抱っこ紐で移動するようになってしまったこと、生後2カ月の段階では隣の区より遠くには行く用事がないため、出番が急減。ただ、いつ緊急的に車で移動するかわからないですし、車があることで行動の選択肢が広がることもあるので、引き続き保有し続けます。

 

最小限の投資で済ませるのなら

 通院や産後デイケアへの移動が車の方が圧倒的に便利、ということでなければ、出産後の退院だけはキッズタクシーなどで乗り切って、退院後初のおでかけからA型(orAB型)ベビーカーを使用、その後、首が次第にすわってきたら(1.5~2カ月程度)縦抱き抱っこ紐を導入し、しばらくはこちらで外出。さらに、子どもが重くなってきて抱っこ紐での移動に限界が来たら、B型(orAB型)ベビーカーと抱っこ紐を併用する、というのがいいのかなと思いました。

 これに加えて、ベビーシートがあると出産後の退院や1か月健診、その他外出での気苦労がなくなるので、より良いかなと。

 また、我が家ではAB型ベビーカーを譲ってもらったことから、これを運用していますが、都内でぶん回すことを考えるとA型ベビーカーをレンタルして、首が据わり次第B型ベビーカーを購入した方が結局ストレスなく外出できるかもしれません。どうしてもベビーカーの設計上、軽いことによるデメリット・重いことによるメリットがあり複数の性能を両立できないところ、さらにAB型となると、より他の機能に皺寄せが来てしまうからです。

 ※ただし高級AB型ベビーカーだと、コストの分だけ標準的B型ベビーカーより扱いやすいという説もあります。

 

乳児の泣き傾向とあやしについて

この記事の要旨

 生後3週間までは食欲に左右されてきたうちの子の機嫌ですが、その後、急激に感性が進化するにつれて色々な「泣き」をするようになってきました。ここでは、現時点で推定されるうちの子の泣きの要因と対応策についてまとめています。

①空腹泣き
 →最も根源的かつ深刻な泣きで、基本的には授乳orミルクを飲ませない限り、なにをしても泣き続けます。他方、唾液がたくさん出て飲み込んでいる、舌を活発に動かして口音を立てる、抱きしめたときに服などを吸おうとする等の兆候からなぜ泣いているのかがわかりやすいのと、満足すれば泣きの原因ではなくなる(他の原因により泣き続けることはある)ため、対処は最も容易かもしれません。

②おむつ泣き
 →おむつ内の情勢が悪化していることによる不快感を泣きで表現したもの。こちらは状態を直接確認可能で、かつ交換してしまえば泣きの原因ではなくなるため、比較的対処しやすい

③甘え泣き
 →「甘え泣き」というのは1か月健診で医療者が呼んでいたもので、要するに特段の物的理由はないが寂しい・構ってほしいから泣いている、もとはといえば機嫌が悪い/退屈などが原因となっていると予想されます。

 →抱いて室内を歩き回ったり、スクワットしたりしてあやしていれば基本的には泣き止みますが、寝かせようとベッドに置いた瞬間に泣き出すことが多数あり(巷では背中センサーと呼ばれているもの)、親の体力・根気をじわじわ奪っていきます

 →1日に1~2回程度、部屋の中でのあやしではどうにも泣き止まないことがあり、そのときは抱っこ紐で外に連れ出しています。なぜかうちの子は外では①・②以外の原因では泣かないというジンクス?があり、特に抱っこ紐でのおでかけが好きなようで、家を出ると泣き止み、じきに寝落ちしています。
 →ただし、なぜか家に帰ってきた途端に必ず眠りから覚めて、ベッドに置く際には泣き出すこともあり、おでかけはカンフル剤・時間稼ぎとしては機能するものの、家にいる間の不機嫌まで解消できるかどうかは本人次第というところのようです。

 →夜21時以降や、おでかけから帰ってきた後など、おでかけでの解消ができないときは、しばらく放置して見守っています。①・②の泣きでない限り、体力が尽きたり、泣き飽きたりするのか、潮が引くように泣き止むことも多々あります、

 →また、生後1.5ヶ月頃から、体内時計がしっかりしてきた&長く寝られる体力が付いたのか、深夜早朝に甘え泣きをすることは稀になった印象で、夜勤がとても助かっています

④いきみ泣き
 →排便のためにいきむ際に力を要するのか、いきむ過程で泣き出すことがあります。おならや足の動かし方などで判別はつきますが、これも割と外側からはどうしようもない泣きです。

⑤体の異常泣き
 →予防接種や医療機関での施術等で痛い目に遭うと必ず泣きますが、うちの子は感覚の切り替えが早いのか、割とすぐに泣き止みました。また、今後発熱や怪我があった場合は上記①~③では泣き止まないことが予想されます。

 

 育児の辛さの9割は子どもの泣き声に起因するといっても過言ではなく、親として育児の負荷をいかに減らせるかは、つまるところ、いかに「泣き」にうまく対応するかというところにかかっています。

 その点では、なるべく子どもに特効の「あやし法」を見つけるとともに、手を尽くしてもどうにもならないときもあると諦めて平静を保つ心を持つことが、一番の近道ではないでしょうか。

国・東京都による出産・子育て応援ギフト「赤ちゃんファースト」での選択について

この記事の要旨

 「かんがるー面談」及び「こんにちは赤ちゃん訪問」をこなすことによって国・東京都から15万円分のギフトが支給されますが、そのギフトについては「赤ちゃんファースト」というサイトで注文する形を取っています。

 ※15万円分のギフト制度の詳細については、以前の記事をご参照ください。 

 この記事では、15万円分のギフト券を何と交換するべきかについてまとめています。

商品の価格傾向

 「赤ちゃんファースト」のサイトでは、支給された15万ポイントを5000ポイント単位で価格設定されている商品と引き換えていくことになります。サイトでの価格は基本的に1ポイント1円換算でメーカーの希望小売価格に合わせて設定されていると思われますが、小売店で良く売られているもの(汎用家電等)ほど店頭での実勢価格が安い傾向にあり、逆に小売店で売られていないものほど実勢価格が高い傾向にあることから、「つぶしの効く商品ほどお得度が低い」という傾向にあると思います。
 このことから、原則として、なるべく今後の育児で「特異的に」必要となる商品(一般家庭でつぶしは効かないが自分の家庭には絶対必要なもの)かつ、下位互換な商品がない、中古やお下がりではなく新品が望ましいものを選ぶのがお得だといえそうです。

①最優先:金券

 5万ポイントにつき1万ポイントまで、子ども商品券or子育てQUOカードpayと交換できます。どちらも1ポイント=額面1円となり、サイトで掲載されている商品数をはるかに上回る商品を実店舗で購入できること、小物をたくさん買う等にも対応できることから、上限まで交換することをお勧めします。
 なお、子ども商品券とquoカードpayの選択ですが、子ども商品券の利用範囲がアカチャンホンポトイザらス等の一部のベビー用品店、百貨店・一部スーパーの子ども用品売り場、ごく一部のドラッグストア、一部のタクシーに限定されるのに対し、「東京都子育て支援専用QUOカードpay」はアインズトルペやスギ薬局ココカラファイン・マツキヨなどのドラッグストアの大多数、一部のスーパー・ホームセンター、アカチャンホンポトイザらス、ハンズなどの小売店ユニクロ・GU、また多くの書店で使えることから、QUOカードpayの方が圧倒的に汎用性が高く、大人用の物品を購入したうえで浮いた金額を子ども用品に回すこともできることから、タクシーで全額使うつもりがない限り後者がおすすめです。

②ベビーカー・抱っこ紐等の運搬器材

 これらは正規品を買うのが安心な上、上位モデルを正規ルートで調達するとまとまった金額が必要になることから、優先的に交換すべきかと思います。特に抱っこ紐は身に着ける関係上汚れやすく、また壊れたときにシャレにならないので、中古よりは新品の方が安心かと思います。

 相場感の一例として抱っこ紐の最上位モデル、エルゴベビー・オムニブリーズとベビービョルン・ハーモニーはどちらも3万ポイントで交換可能ですが、前者は楽天でポイント還元込みで24,000円程度、後者は27,000円~となっています。

 なお、ベビーカーも抱っこ紐も実店舗で実物に一度触れてみてから種類を決めるべきです。

③おむつ・粉ミルク等の消耗品

 これらは確実に使うので、特にポイント端数の調整にはちょうどいいです。
 おむつの相場感として、パンパースさらさらケアについて、3パック+おしりふき2袋で5000ポイントですが、店頭で買うと4300円ぐらいでしょうか。おむつだけのセットがないのが少しお得度を下げています。

 粉ミルクについては、森永E赤ちゃんを例にとると、らくらくパック800g+スティックタイプ130g×3で5000ポイントになっています。約1200gで5000ポイントですが、らくらくパックを店頭で買うと1600gで6100円程度なので、かなりいいレートです。ただしサイト上では注文が集中して売り切れになっていることが多いようで、もし在庫があれば注文したほうがいいと思います。(なお、8/21時点で品切れになっているのはE赤ちゃん関連と、粉ミルク「はいはい」3缶セット、ベビーベッドレンタル(半年)だけのように伺えます)

 液体ミルクは、明治ほほえみらくらくミルク200ml24本入りで5000ポイント、これは店頭や通販でも5000円近くかかるので、ほぼ1円1ポイントの交換になります。ただし、事前にほほえみ液体ミルクを子どもが受け付けるか試しておいた方がいいと思います。

④ベビークリーム・ローションなどの消耗品

 これらも確実に使うのと、市場であまり安売りされていないので、意外と穴場だと思います。

⑤家事代行・写真撮影サービスの類

 おそらくポイント→実勢価格への換算効率が一番いいのはこのジャンルになると思います。小売店を経由しないため廉売されないことや各種ポイントも効かないためです。ただし、本当にその会社のサービスを利用するのか?というところに疑義があり、基本的にはプラスアルファではないでしょうか。家事代行については、区の補助が効いたサービスが利用できるならそちらの方がいいですし。

⑥家電

 冒頭では小売店の方が安いと書きましたが、ものによって様々なので、欲しい商品を赤ちゃんファーストのサイトと通販で比較して、価格が乖離してなければ購入しても良いと思います。

 例として
・ドリテック コードレス温湿度計(5000ポイント,通販では4800円)
・ハイセンス 見守りカメラ&ベビーモニター HDS2+2(25000ポイント,通販では28000円)
アイロボット ロボット掃除機 ルンバ i2(40000ポイント,通販では35000円)

⑦絵本・図鑑

 図鑑セットなど、書籍はなかなか定価より安くならないところ、定価11000円のところ10000ポイントで購入できるようです。ただ、図鑑を読めるようになる月齢と、ギフトポイントの有効期限が合わないのが気になります。未来への投資でしょうか。

 

 なお、ネット上で観察したところ、上記以外に鼻吸い器、バウンサー、コロコロチェアが人気のようです。

おわりに

 もらったポイントは登録した日から半年しか持たないので、特に出産後の10万円分については、欲しいものが高額かつ品切れだった場合、補充されるのを待ってから登録→即買いする等、使用の目途が立ってから買う方がいいと思いました。
 ※とはいえ調達スケジュールもあり、半年以上待つとそもそも要らなくなるのではとも思います。難しいところですね…