子育て総力戦研究所

父親から見た23区近郊車なし子育て

育児以外の家事の効率化・外部化について

この記事の要旨

 当然のことながら、育児中は育児に専念できるわけではなく、もとより看護者たる大人2人が生活し続けるための家事が出産前と同様に必要となってきます。この記事では、我が家で行った家事の工夫・効率化・外部化の考え方についてまとめています
 前提:フルタイム共働き、第1子出生後3カ月まではともに育休取得、里帰りなし

家事の総量と内訳

 家事は大きく分けて食事、洗濯、掃除の3つですが、所要時間の面で特に大きいのは食事です。出産前に行っていた作業フローでは、1日ごとに①食材の調達(20分)、②夕食+朝食+昼食の一括調理(30分)、③夕食(20分)、④片付け(10分)、⑤朝食の準備(10分)、⑥朝食(15分)、⑦片付け(5分)を行っており、合計で1日あたり2時間程度を割いていました。※昼食は弁当のため省略
 他方、洗濯については、洗濯機が稼働している間は何もしなくていいため、①物干し(10分)、②回収(3分)、③畳む・収納(5分)で1日あたり計20分程度です。
 掃除については、1週間に1回、ロボット掃除機(ルンバ)をかけるための整頓をし、このほか適宜水回りの掃除等を行っていますが、毎日行わなければならないタスクとはみなしていませんでした。トータルでも1週間で1時間程度ではないでしょうか。
 このほか、いわゆる「名前のない家事」として、家中のゴミ箱からごみを集約してゴミ出し(週2回10分ずつ)、トイレットペーパーをはじめとする日用消耗品の調達(およそ2週間おき)、氷・麦茶の量産(夏季・毎日5分程度)、公共料金の払い込み(月1回15分程度)があります。
 これら家事をトータルすると1世帯1日あたり3時間程度あれば家事は終わります。フルタイム共働きで余った時間に家事を回していたので当然といえば当然ですが…

新生児の育児中に支障となること

 育児が丸一日親を拘束するわけではないので、時間的・体力的にはこれら家事と並立可能です。ただ、上記家事のうち脳死でできない作業や初速が必要なものについては、精神的に余裕のない育児中はそもそも着手する気にならないという問題が発生します。
 また、基本的に新生児をずっと見ている必要がある関係上、外出して用を済ませるためには、誰かに代わりに新生児を見てもらう必要があります。2人とも育休であればこの問題は発生しませんが、もしワンオペに近い場合、憂慮すべき点となります。

家事の効率化・外部化の選択肢と評価

食事

 まず食事について、新生児を家に迎えてから1週間は、ほとんど自炊できませんでした。時間的にはできるはずなのですが、育児のひとつひとつのプロセスに慣れないため、対応しているうちに両親ともすっかり疲労困憊となり、全くと言っていいほどやる気が湧きませんでした。これは、2人で新生児対応に当たっていたことによるもので、どちらかの親が育児から距離を置いて、仕事+家事専業となれば避けられるかもしれません。なお、2週目以降は徐々に余裕が出てきたため、父親側が出産前の食事提供体制を復旧することができました。なお、夜泣き対応等に伴い生活周期がグダグダになってしまうことから、実質的に1日2食+適宜補食となっています。

 この期間、冷凍おかずを家に配達してもらう「宅食」を活用し、2人×10食分を消費しました。白米については脳死で炊き、宅食とともに食べることで、最低限の補給を担保していたことになります。サービスはいろいろありますが、我が家は「nosh」を使っており、味はさすがに自炊には勝てませんが、普通に食べられるレベルのものが届きます(1カ月以上連続するとさすがに厳しいかもしれませんが…)。
 また、義祖母に週2で来てもらい、その日の食事を作ってもらう、野菜を切り置きしてもらう、だし汁を作ってもらう等の支援を受けました。ただでさえ疲弊しているところ、育児経験者に居合わせてもらえるだけでもかなり精神的負荷の軽減になるところ、こうした物質的支援は大変助かりました
 我が家では使いませんでしたが、Uberなどの宅配サービスの活用も十分に選択肢になると思います。(まっとうなものを食べようとするとコストは宅食より高め)

 なお、食器や調理器具の洗い物について、食洗機を導入するという選択肢もありましたが、設置場所が確保できるか不安があったため見送っています。もう少しキッチンが広ければ検討したと思いますが、リビングの一角にシステムキッチンがある程度では中々置くことが難しいのではないでしょうか。何より、皿洗いは単独では発生せず、その前段として自炊調理を行った時に付帯して生じるので、ほんとうにしんどい時はそもそも調理ができず、皿洗いも発生しないという観点から、短期的な緊要性は低いと判断しています(育児の段階が進んでくると変わるかもしれません)。

 食事については、新生児対応が最も厳しい時期はそもそも食欲すら湧かないレベルに追い込まれます、だからといって食べないでいるとさらに元気がなくなる(母乳の出にも影響する)という悪循環になるので、なんとかまともなものを口に入れられるよう努めなければならないと思います。

洗濯

 洗濯については、もともと縦型洗濯機+外干し(天気が怪しければ、部屋干し+除湿乾燥機)としていましたが、家事負担の軽減のために、出産前に電気式の衣類乾燥機を導入しました。
 ドラム式洗濯乾燥機に更新するという選択肢もありましたが、①初期費用がとても高い(30万円程度、乾燥機単体では6万円程度)、②躯体が大きく、設置できる物件に制約があることで今後の転勤・引っ越しの制約となる、③定期的なメンテナンスが必要というデメリットを考慮して、電気式衣類乾燥機(Panasonic製)を追加配備するという形になりました
 ドラム式洗濯乾燥機は水道代・電気代が安くランニングコストの面で優れていること、洗濯から乾燥までワンストップでできることがメリットですが、後者については、ワイシャツ等、乾燥に適さないものは一旦取り出す必要があること、洗濯可能容量と乾燥可能容量が異なり、ワンストップで回す場合、本来の洗濯能力が制限されることといったメリットを打ち消す要素もあります。
 なお、我が家では子供と大人で異なる洗剤を用いていることから洗濯は2回行い、それらを取り出した後まとめて乾燥機にかけていることから、機械が2台に分かれることにより場所を取る以外のデメリットを感じていません。また、縦型洗濯機は入れ忘れた洗濯物の追加投入が可能なので、その点についてもメリットを感じています。

 衣類乾燥機の効果は素晴らしく、洗濯が苦痛から喜びに変わるほどの「革命」をもたらしてくれました。最近は余裕があれば趣味として外干しをしていますが、どんなに苦しい・時間がない状況でも洗濯を回せるということは、洗濯物の追加発生を恐れないことにつながり、精神的負荷の軽減に大いに役立っています

 我が家ではオリンピックにかこつけたインフラ整備のように、育児対応名目で導入しましたが、共働きであれば、いつでも導入していい機材だと思います。よっぽど洗濯物を干して回収するのが好きな人以外なら、導入分のもとはすぐに取れると思います。

 なお、乾いた洗濯物を仕分けし・収納するというタスクは相変わらず残り続けるので、ここで目詰まりを起こしがちですが、一旦乾いてしまえばこのタスクは半ば永遠に放置できる(気が向いたときにしまえばいいし、しまわなくてもよい)ので、あまり気にしていません。

掃除

 掃除については、人によって求めるレベルが異なるので、一概にこう、というのはないですが、ロボット掃除機(ルンバ等)については導入する意義があると思います。我が家では手掛け式の掃除機を使わなくなって久しく、比較はできませんが、モノさえどけておけば床面積の大半を勝手に掃除してくれるというのはとても便利です。床面積が50㎡ちょい・実際にルンバが走れる面積は半分以下の我が家ですらそうなので、もっと広い家や家具が少ない家だとより活躍するのではないでしょうか。
 なお、リビングにもベッドを設置したり、そもそも在宅時間が延びることから、育児中はホコリの溜まるペースが普段より早く、これまで週1回程度回していたルンバを2~3日に1回回さないと気になるようになりました。 

その他

 育児中はゴミの発生量が爆増します。ただでさえ共働き時代より在宅時間が延びていることに加え、おむつやおしりふきをはじめとする消耗品も多く、平時の2倍程度のゴミ出しを行っています。住んでいる物件が24時間ゴミ出し可能のため、とてもありがたく使わせてもらっています。

結論

 共働き世帯が2人で育児にあたる場合は、家事に対する時間的な制約よりかは精神的な制約が大きいです。そのため、通常の方法で行っていた家事ができなくなったときの代替手段としての家事の機械化・外部化を志向することにより、精神的な余裕を生み出し、それによって育児や家事を持続的なものとしていくことが主眼となると思っています。(もちろん、クソ強メンタルで乗り切れる/部外協力者の支援が手厚い場合はこの限りではありません。)